カニの脱皮の話、身の詰まっていないカニ話
こんにちは、カニの甲羅まで食べる男です!! 札幌のカニ問屋で働いていた時、ロシアから船で活きたタラバガニが稚内経由で入ってくるのですが、その日によって、身の詰まりの良いカニの日もあれば、身の詰まりの悪いカニが届く日もありました。 すべてのカニが、身の詰まったカニではないのです。 【コンテンツ1】脱皮後の身の詰まってないカニの話 【コンテンツ2】脱皮前の二重皮のカニの話 【コンテンツ3】身の詰まり具合と味の話 【コンテンツ4】カニの脱皮の時期 【コンテンツ5】カニの身の詰まりランキング |
身が詰まっていない蟹 |
二重皮 |
身の詰まりと味の関係 |
身の詰まり具合ランキング |
タラバガニも、毛蟹も、カニは、大きくなる為に脱皮をします。脱皮を繰り返して、どんどん大きくなります。
脱皮したてのカニは、ふわふわして、押すと潰れそうなくらい、とっても柔らかく、まったく身が詰まっていません。 脱皮したカニは、これから、いっぱいエサを食べて、身の詰まったカニになっていきます。 脱皮したてのカニが、身の詰まってないスカスカのカニです。 |
身の詰まり95%のタラバ蟹 |
身の詰まり100%の毛蟹 |
タラバガニの脱皮した抜け殻 |
毛蟹の脱皮した抜け殻 |
ビシビシに身の詰まっていないカニも、ゆでたてはおいしいです。むしろ、身のビシビシに詰まっているカニよりも美味しいかもしれません。 ただ、殻と身の間に空間があるので、水分(カニのうまみ)が蒸発しやすいので、日にちが経つと味落ちが激しいです。 |
脱皮して5分、毛蟹の抜け殻(左写真)と脱皮したばかりの毛蟹の本体。 |
脱皮したてなので毛の色もきれい。 毛もフワフワ。 普通、甲羅は堅いのですが、押すとペコッとへこむくらい柔らかい 。 |
脱皮する前のカニは、甲羅の内側で、次の甲羅になる新しい皮を生成しています。 その為、皮が2枚になっています。 これを「二枚皮」、もしくは「二重皮」と呼んでいます。 その際、皮と肉質がくっついて、噛み切れない状態の場合があります。これは、程度問題でクレームになるか、ならないかは、微妙なところです。 ちなみに左写真は、皮を2つ剥けば食べれるので問題ないと思います。 |
二重皮 |
問題のないカニ肉 |
二重皮のカニの見分け方のわからないカニ店は、クレームにならないようにカニ全部を「訳有り」にしてしまう(笑) 「二重皮の場合があります」と表記があれば、クレームにはならないと思いますが、バリバリの二枚皮は、まともに食べれないケースも多々あります。 |
以前は、タラバガニの脱皮の時期は、1月くらいから小さなタラバが脱皮をする場合が多かった。遅れて大きなサイズのタラバガニが脱皮します。だから、2月、3月、4月は、身の詰まりの悪いカニも多く、タラバガニの入荷のない日もあります。そして、5月くらいから身の詰まりの良いカニが増えてきます。 |
カニの身の詰まりランク タラバガニでも、毛蟹でも、身の詰まったビシビシのカニを「堅ガニ(かたがに)」と言います。成長途中の身の詰まりが完璧じゃないカニを「若ガニ」、「上若ガニ」と言います。 特に4,5月頃に毛蟹の上若蟹、若蟹が安く売られています。堅蟹より、ジューシーで美味しいです。ただ、カニミソの入りには、不安が残ります。 私は、上若ガニは、おすすめです。 個人的には、堅蟹より好きです。 ただ、身の詰まりが悪い分、賞味期限が短いです。 *カニ屋さんによっては、上若蟹ではなく、「若上」とか、若蟹なら単に「若」と言います。その辺、自由なんです。 |
以前、函館朝市に身の詰まりが90%から100%のカニだけを販売するお店がありました。 |
補足として身の詰まっていないカニの中には、水槽に長期間いることで身が痩せていくケースもあります。 |
身の詰まってないカニのことを、カニのプロっぽく言うと「ちょっと、ゆるいな」なんて言います。 カニの身の詰まりは、カニの足を触ると簡単にわかります。ただ勝手にお店の水槽のカニの足を一尾一尾チェックして選ぶわけには、いかないので、あまり役に経たないのが現実です。 |